前回の記事でも少し触れたが、たとえ資産0円からスタートしても、長期的に米国株インデックスファンドに積立投資し続ければ、数億円の資産を築くことができる。
実際に計算してみよう。
長期積立投資で3億円貯める場合のシュミレーション結果
S&P500インデックスファンドの年率平均リターンはおおよそ9%である。
VOOやSPYといったS&P500をベンチマークするETFに毎月15万円積立投資した場合、30年後に3億円の資産を築くことができる。
毎月15万円はきついと感じるかもしれないが、とはいえ十分手が届く範囲のシュミレーションだと思う。
仮に30歳から上記の積立投資を始めた場合、60歳になった時点で3億円の資産を保有していることになる。
しかし、懸命に働き、節約に節約を重ね、積立投資し続けた結果、60歳で数億円の資産を築けたとして、それが何の役に立つ?
もちろん、不慮の事故や老後生活の保険にはなる。しかし、極論それだけだ。
旅行へ行こうにも十分な体力がない。
女遊びをしようにも体力に加えて容姿の魅力も無くなっている。
美味しいものを食べようにも食欲が失せてたくさん食べられない。
老後にたくさんお金があっても意味がない。食欲も性欲も十分に満たせない。何かしようにも体力がついていかない。いつ病気になるかわからない不安に怯えながら寝るだけだ。
ネガティブに考えすぎだと捉えられるかもしれないが、そうはいってもある程度頷けるのではないだろうか?
ではどうすれば、上記のような状態を避けられるだろうか?
実は、そこまで必死に働いて、節約して、積立投資をし続けづとも、億り人にはなれる。若い頃に適度に遊んでおき、60歳で1億円の資産とともにリタイアすることは可能だ。
長期積立投資で1億円貯める場合のシュミレーション結果
月15万円ではなく、月5万円に積み立て投資額を減らしても、30年後に1億円の資産が築ける。これでも十分だという人は多いのではないだろうか?
さて、上記2つのシュミレーション結果を踏まえて、2通りの人生を比較してみよう。
老後にお金持ち VS 老後にそこそこお金持ち
- 若い頃を犠牲にし、必死で働き、節約し、30年間月15万円積立投資し続け、60歳で3億円の資産を築く。しかし、今や体力・食欲・性欲は減退しており、お金があるが対して何もできない人生。
- 普通に働き、ある程度節約し、余暇を楽しみつつ、30年間5万円積立投資し続け、60歳で1億円の資産を築く。今や体力・食欲・性欲が減退しているが、若い頃にそこそこ遊んでいたので、やり残したことは少ない人生。
さて、どちらの人生が良いだろうか?
ほとんどの人は、Bの方が良いと感じるのではないだろうか?
シンプルに考えてみよう。仮にお金が労働時間の対価だとすれば、たくさんお金を稼ごうとするほど、自由時間がなくなる。かといって、今を楽しむために仕事以外のことに時間を使っていると、お金がなくなる。基本的に両者はトレードオフなので、両取りすることはできない。
この世に生まれた幸運を十分に楽しみ、かつ、資金ショートせずに安心してこの世を去るためには、自分が納得のいく中間点を探る必要がある。
どうすればその中間点を見つけることができるのか?それは、まず自分がいくらお金があれば満足なのか?を決めることである。
具体的な金額が決まれば、それに応じて毎月の積立金額が決まる。毎月の積立金額が決まれば、それを捻出でき、かつ自分にあった働き方ができる仕事が何か見えてくる。
もちろん、お金はあればあるほど良いが、上を見ればキリがない。自分の能力にも限界がある。なので、現実的に自分の必要な金額を決めることが肝要である。