「普通の人だから勝てる エナフン流株式投資術」を読みました。
本書は、普通のサラリーマンが"個別株投資"で稼ぐための方法について書かれた本です。
どのようなスタンスで投資に挑み、どのような銘柄にどういったタイミングで投資すれば良いかが具体的にまとめられています。
特に専門的な知識がなくても理解できるので、投資初心者にもおすすめできます。
ただ、PER・EPS・PBR・ROIといった単語が出てきますので、ある程度は投資の知識が合ったほうが理解しやすいです。ですので、全くの投資初心者というよりも、少し投資をかじったことのある人向けの本です。
以下、本書の要約記事になります。
もくじ
「普通の人だから勝てる エナフン流株式投資術」の要点
「つ・な・げ・よ・う分析」
つなげよう分析とは、以下5つの頭文字をとったものである。
- 強みを知れ
自分ならではの強みを理解する - 流れを知れ
複雑な株価の流れを理解する - 原理を知れ
株価が決定する原理原則を理解する - 弱みを知れ
個人投資家や人間ならではの弱みを理解する - ウラを取れ
決算書や会社資料で必ず裏を取る
銘柄選択時に上記のつなげよう分析を活用すれば、投資初心者でも優良銘柄を選べるようになる。
つなげよう分析のそれぞれの詳細については以下の通り。
強みを知る
何千社もある上場企業をすべて知り尽くす投資家はいない。
自分の得意ジャンルを設定し、その会社を深く分析すればいい。
自分の得意ジャンルとは、仕事や趣味やこだわりに関係している。そういったジャンルであれば、自分は理解しやすいが、他人には理解しにくい。(要するに、まだ見つけられていない優良株を見つけられる可能性が高まるということ)
そういった自分の強みを生かして、投資銘柄を選ぶ。
強みを活かした銘柄選定を行うと、下記のような銘柄を見つけやすくなる。
大化け株の7つの特徴
- 成長著しい嫌なライバル企業
自分の働いている業界で、格下でありながら急成長している企業があれば、その株は有望株かもしれない。 - 他社技術の利用が得意な企業
魅力的な企業は、技術革新の提供側ではなく利用側に多い。例えばアップルなど。 - 売上高推移の棒グラフが右肩上がりの企業
上場後も長期間売上高を上昇させ続けている。 - まるで話題に上がらない企業(割安に放置されている)
自分独自の分析では有望なのに、市場では人気がない株。将来市場がその成長性に気づいたときには大きく上がるかもしれない。 - 行列、売り切れ、予約待ち
行列、売り切れ、予約待ちを見つけたら、その企業の株を調べてみる。将来有望株になる兆しなのかも知れない。 - 常駐性や中毒性のある商品を販売している
コーヒーやアニメやゲームなど、ついついハマりがちな分野から大化け株が出現するかも知れない。 - 有望株の周辺企業
有望株を見つけたら、その企業とよく似た構造の関連企業を探してみる。それも有望株かも知れない。
流れを知る
株価は、景気変動や金融政策といった相場の影響(株式市場全体の動き)を大きく受ける。
よって、たとえその企業の業績が右肩上がりであっても、相場の流れが下降トレンドであれば、株価は停滞または下降することが多い。相場の流れに逆らって上昇し続ける株は少ない。
逆に、相場の流れが上昇トレンドであれば、それを追い風に業績の良い成長株の株価は勢いよく上昇する。
また、株価は相場と業績の他に、市場評価の影響も受ける。
たとえば、投資家からの人気が低く、PER10程度だった株が見直され、PER20で取引されるようになると株価は上がる。
『株価=PER(市場評価)✕EPS(会社の業績)』なので、業績が上がるか市場評価が上がるか、またはその両方が上がることで、株価は上昇する。
以上、相場・業績・市場評価の3つが、株価を形成する主要要因になる。
相場・業績・市場評価のどれを重視するかで投資法は変わる
相場の変化、業績の変化、市場評価の変化、3つの流れは全て株価に影響を与えている。
自分がどれに着目するかで、投資法は変わる。
たとえば、相場の変化に着目するなら循環株投資、業績の変化に着目するなら成長株投資、市場評価の変化に着目するなら割安株投資というように、投資スタイルは変わる。
自分が着目している流れと投資スタイルがズレると、正しいタイミングで売買できない。
ただ、相場・業績・市場評価はそれぞれ完全には独立しておらず、実際は成長株かつ循環株、割安株かつ循環株といったものも存在する。
もっとも株価の上昇が期待できるのは、成長株かつ割安株。
割安さが生じる4つのパターン
業績拡大に伴うバリュー拡大 | 株価下落に伴うバリュー拡大 | 業績拡大と株価下落の同時進行 | 株価上昇以上の業績拡大 | 業績悪化以上の株価下落 | |
---|---|---|---|---|---|
業績 | ↑ | → | ↑ | ↑↑ | ↓ |
株価 | → | ↓ | ↓ | ↑ | ↓↓ |
有効性 | ○ | △ | ◎ | ○ | ✕ |
業績拡大に伴うバリュー拡大
もし、効率的市場仮説が正しければ、業績が拡大すればそれが株価に織り込まれるので、株価は上昇する。
しかし、注目を浴びていなかったり、何らかの誤解を持たれていたりする場合、株価は業績拡大を無視して横ばいを続けることがある。
業績が拡大し続けているのに、株価が低迷しているということは、実際の企業価値と株価の間の差(割安さ)が拡大していることを意味する。
こういう株は買い。市場が評価を見直すまで辛抱強く保有し続けることで、大きな利益を得られる。
株価下落に伴うバリュー拡大
相場が下げたとき、それが企業業績を反映したものなのか、単なるパニック売りなのかを見極める。
パニック売りであれば買い。しかし、業績が横ばい+パニック売りによって株価が下げた場合、株価の戻りは遅い。
よって、あえて投資する必要はない。割安株投資では業績が上向きの株に投資するのが基本。
業績拡大と株価下落の同時進行
業績が拡大しているのに、相場全体の流れに影響されて株価が下がることがある。
こういう場合、企業価値と株価の差は大きく乖離していることになる。絶好の買い場!
株価上昇以上の業績拡大
あまりにも大きく業績を改善させた場合、市場は直ぐにそれを株価に織り込めない。
よって、企業価値と株価の間に割安さが生じる。これも買い場。
業績悪化以上の株価下落
業績悪化以上に株価が下落している場合、理論的には企業価値と株価の間に割安さが生じていることになる。
しかし、更に売り込まれるリスクもある。株価の反発力も弱い。
よって、投資しないほうがいい。どうしても投資したい場合は、業績改善の見通しがたってからがよい。
原理を知る
株価を動かす4要因
株価は下記の4要因で決定される。
- 企業の業績
- リスク(様々な不確実性)
- 金利水準
- 純資産価値(企業業績が極端に落ち込んだ危機時は純資産価値によって株価が決まる)
以下、それぞれの要因の詳細になる。
1.企業の業績
株価は企業の将来の業績を反映させながら変動する。過去の業績ではない。
過去の業績をもとに投資をしても株価上昇は期待できない。なぜなら、それはもう株価に織り込まれているので。
よって、過去いくら稼いだかではなく、将来どれくらい稼ぎそうか?をもとに投資するほうが良い。
※株価は、数ヶ月〜3年程度先の業績を折り込んで形成されているといわれている。過去の業績で株価が形成されているわけではない。
2.リスク
株式に投資した瞬間、投資家はさまざまなリスクにさらされる。
ここでいうリスクとは、不確実性のことを意味している。よって、業績が予想に反して上がる場合も、下がる場合もリスクである。1年後に相場の流れが上向く場合も、下向く場合もリスクである。
株価は、市場に参加している無数の投資家のリスクに対する予想を織り込んで形成される。
※たとえば、今後A株の業績が上がるという投資家が100人、下がるという投資家が30人いたとすると、ざっくりいって100人の買い需要に対して30人の売り需要があると考えられる。この場合、株価は上昇する傾向にある。
3.金利水準
金利が上昇すると、わざわざリスクを取って株に投資しなくても、債券に投資すれば高い金利がもらえるので、株価は下がる。
金利が下降すると、債券に投資していても全然儲からないので、多少リスクを取ってでも株に投資しようという人が増える。よって、株価は上がる。
4.純資産価値(企業業績が極端に落ち込んだ危機時)
リーマンショックのような危機が起こったとき、企業は赤字転落する。
よって、EPS(一株あたり純利益)は下がる。PER(株価に対する市場評価)も、危機時の不安や不透明度によって下がる。『株価=EPS✕PER』なので、まともな株価がつかない。
こういった場合、一般的に純資産価値をもとに株価が形成される。
将来その企業がどれだけ成長しそうか?ではなく、その企業の資産をすべて売却した場合、一株あたりいくらになるか?という考えのもとに株価がきまる。
リーマン・ショック時に、多くの上場企業の株価がPBR1倍(株価=一株あたり純資産)前後で下げ止まった(底練り)のはこのため。
ちなみに、割安株投資家にとって最大の買い場は、この「底練り」状態の時。
なぜなら、株価が純資産価値とほぼ同等で評価され、企業の将来性をほぼ加味していないので。
よって、この底練りのときに2〜5年後を見据えてどれだけ良い株に投資できるかが、大きな利益をえるための重要なポイントになる。
そのためには、たとえリーマンショックのような危機が起こったとしても、手元に十分な投資余力があるようにしておく必要がある。
PERの使い方
実績PERと予想PER
PERは株価収益率のこと。
PERは、株価をEPS(一株あたり純利益)で割って算出する。仮に、株価が1000円でEPSが100円なら、PERは10となる。
PERには実績PERと予想PERの2つがある。
実績PERは、直近の決算でのEPSで現在の株価を割って算出する。
予想PERは、将来の決算のEPSを予想し、現在の株価をその予想EPSで割って算出する。
株価は、将来の業績を折り込みながら変動するので、投資家には実績PERよりも予想PERが好まれる。
予想PERの5つの変化要因
予想PERは、下記の5つの要因によって変化する。
- リスク
- 成長率
- 企業の収益性
- 業績予想バイアス
- 一時的な収益変化
以上。
それぞれ具体的に解説する。
■1.リスク
為替や政策変更の影響を受けやすい株、または景気の動向を受けにくい株がある。
外部環境の影響度や企業独自のリスクによって、予想PERの適正水準は異なる。
よって、予想PERの適正水準を推定するには、同業他社と比較したりビジネス分析したりする必要がある。
■2.成長率
EPSの成長率が高い企業の予想PERは低くなる傾向にある。逆に衰退企業はEPSの成長率が低いので、予想PERは高くなる(実績PERとの差が少ない)傾向にある。
たとえば、以下の場合を考えてみるとよく分かる。
- 株価1000円/EPS100円(成長率10%と仮定)/PER10
3年後、上記の株のEPSは約133円(100✕1.1✕1.1✕1.1)になる。1000円÷133円=予想PER7.5となる。
EPSの成長率が低いと、予想PERと実績PERの差はそこまで大きくない。
一方、下記のような高成長率企業の場合は、実績PERと予想PERの差は大きくなる。
- 株価1000円/EPS20円(成長率50%と仮定)/PER50
3年後、上記の株のEPSは約68円(20✕1.5✕1.5✕1.5)になる。1000円÷68円=予想PER14.7となる。
このように、EPSの成長率が高い企業の場合、実績PER50で考えると高すぎて投資できないが、3年先の予想PER14.7で考えれば、十分投資できるともいえる。
■3.企業の収益性
企業の収益性が悪化した場合、純利益をもとに算出したPERではなく、純資産をもとに算出したPBRで株価が形成されることがある。
たとえば、企業の収益性が悪化して、純利益が減り、結果的にPERが15→50に上昇したとしても、PBRが1倍以下であれば、割安と評価されて買われる場合がある。
一般的に、ROE8%以下の場合、PBRで株価が評価される。よって、たとえPERが高くてもPBRが安ければそれ以上株価が下がらなくなる。
ROE8%以上の場合、PERで株価が評価される。よって、正当化できないほどPERが高くなれば、売られることもある。
■4.業績予想バイアス
上場企業が公表する業績予想にはバイアスがかかっている。
株価を吊り上げるために、高めの業績予想を出す企業もあれば、保守的に低めの業績予想を出す企業もある。
過去の業績予想と実績を比較し、その企業の特性によって、保守的な業績予想から予想PERを算出するか、挑戦的な業績予想から予想PERを算出するのかを決めると良い。
■5.一時的な収益変化
遊休資産の売却などによって、今期だけ一時的に純利益が増えた場合、その純利益をもとに予想PERを算出すると、予想PERは低くなる。
逆に、今期だけの特別損失で純利益が減った場合、その純利益をもとに予想PERを算出すると、予想PERは高くなる。
後者の場合、一時的にPERが上昇するだけなので、長期的には企業の収益性に問題はないと考えられる。しかし、単純にPER岳を見て投資している投資家は、あわてて売却してしまう。よって、株価は下がる。
このときに投資すれば、割く株を買える。
前者の場合、実際は収益性は向上していない。しかし、一時的な純利益の増加によってPERは下がる。こういった株に、PERが低くなったからという理由だけで投資してしまうと損してしまう。
予想PERの高低だけではなく、その要因にまで踏み込んで分析して投資すること。
弱みを知る
自分の弱みを強みに変える
兼業投資家の弱みを強みに変える
兼業投資家は、短期トレードに向いていない。デイトレーダーと兼業投資家とでは、時間的格差がある。
また、専業投資家(プロの投資家)にも勝てない。彼らとは情報格差がある。
とはいえ、時間がなくても、情報が少なくても、できる投資法がある。それが、成長株への長期投資。
これなら、日中にチャート画面に張り付く必要はなく、しっかりと企業分析すれば、大きな利益を得られる可能性がある。
このように、自分の弱みを強みに変えることで勝てる投資家になれる。
精神的弱みを強みに変える
■損失を恐れる
損したくないという感情が、損切りを遅らせ、利確を早まらせる。結果的に大きなリターンがとれなくなる。
この人間ならではの精神的弱みには、ブログの執筆が有効。
理想の投資スタイルを書き記しておくことで、下落時に自分がどう振る舞うべきかを見直せる。
■自慢したくなる
投資で大きく稼ぐと、どうしても人に自慢したくなる。しかし、それは妬みや嫉妬を呼び起こす。炎上を招きかねない。
炎上してしまった場合は、直ぐに謝る。ただ、そもそも自慢しないのが一番の対策。
■リスクを過大評価する、または過小評価する
あまりにも損するのを怖がりすぎて投資額が少ないと、損失も少ないがリターンも少ない。
はじめのうちは、投資になれるために少額から始めるのはOK。損しても勉強代程度に抑えられれば、少しづつ投資の経験を積める。
しかし、少額でやっていてもらちがあかないと思って、いきなり投資額を上げると、大きな損失を被る可能性がある。
この、初心者から中級者への移行期が、投資において最も危険。リスクを過小評価してしまうので。
もちろん、大きく稼ぐためには勝負に出ることも必要だが、それにはタイミングとバランスが必要。もちろん、投資の経験も必要。
■SNSの情報をうのみにしてしまう
美味しい情報をわざわざ流す人はいない。それなのに、〇〇銘柄に投資すれば稼げると、さも信憑性のあるような情報がネットに流れるのはなぜか?
それは、初心者をカモにして儲けようとしている人がいるから。そういう情報にだまされてはいけない。
もちろん、親切心で良い情報を流してくれている可能性もある。しかし、どちらの場合であっても、どういう意図でその情報が流れてきたのか?というウラをとる必要がある。
■感情的に売買してしまう
感情的に売買しないためには、売買ルールを決めておくことが有効。
下記は本書の著者であるエナフン氏の売買ルール。
- 本質的な価値に対して株価が高くなりすぎた
- 成長が止まった
- 十分な調査の結果、もっと良い銘柄を見つけた
(手持ちの銘柄と同等、またはちょっと良い程度であれば乗り換えない)
※上記は全て売却時のルール
■投資に依存してしまう
投資で稼げる金額は、パチンコや競馬の比ではない。
脳内麻薬のドーパミンが大量放出されて、依存症になってしまっても不思議ではない。
下記のギャンブル依存症 診断基準で5つ以上チェックが入るようであれば、依存症を疑ったほうがいい。
投資をやめるか、一時的に運用資産を1割程度にして投資と距離を置くほうが良い。
経済的弱みを強みに変える
■投資資金がない
まずは節約して貯蓄を増やす。または、副業でお金を稼ぐ。
投資しようにも、種銭がなければできない。
情報格差を強みに変える
■投資先の銘柄をよく理解できない
「自分が理解できないものには投資しない」。これが理解できないという弱みを克服する最もシンプルな方法。
しかし、言うは易く行うは難しで、実践するのは難しい。
また、自分が投資先の銘柄を理解できてるのかどうすれば確認できるのか?も難しいところ。
下記の5つの質問に答えることで、投資先の銘柄に対し、自分が理解できていない点を明確にできる。
- なぜ成長できているのか?
- 今後その成長はどの程度続く見込みか?
- 成長が止まるとしたらどのような理由が考えられるか?
- 既に悪い兆候はでていないか?
- 株価は適正水準にあるといえるか?
※割安成長株に投資する場合
ウラをとる
企業分析のための5つのポイント
- 成長性
- 健全性
- 商品・サービス
- 外部要因
- 経営者
1.成長性
過去の決算から、売上高や利益の業績データをみて、経年の変化を調べる。
2.健全性
自己資本比率、キャッシュフロー計算書の内容、有利子負債と現金同等物の差を調べる。
借金が少なく、現金収入が安定的に入ってくるようであれば健全と判断して良い。
3.商品・サービス
商品やサービスを実際に利用して使い勝手などを調べる。
また、ROEやROAをみて収益性を調べる。もし、これらの指標が同業他社と比較して高ければ、その企業の商品・サービスは何らかの競合優位性を持っている可能性が高い。
4.外部要因
投資先の企業が、どの業界や業態に属しているのかを調べ、景気・為替・国際情勢などの影響をどの程度受けるのかを調べる。
5.経営者
伸びる企業には必ず優れた経営者がいるが、それを見極めるのは難しい。なぜなら、企業の経営者は魅力的な人物が多いので。
よって、人物(経営者)ではなく事業計画や事業そのものを見る。そうすれば、経営者の考えは伝わってくる。間接的に経営者を知る。
企業の成長性のウラをとる3つのプロセス
1.企業情報を集めて確認
企業のホームページをみて、その企業の製品の情報や経営者の考え方、ビジネスモデル、近年の業績推移などを確認する。
さらに、関連業界の情報を見てみたり、実際に商品やサービスを使ってみて企業の成長性を確認する。
2.決算業績動向の確認
過去5〜10期分の決算書を確認して、損益計算書の業績動向を確認する。
貸借対照表やキャッシュフロー計算書も大事だが、成長株投資に関しては、企業の業績の伸びが最も重要なため、損益計算書の分析を重視する。
たとえ毎年、または累計*1の売上高が伸びていても、四半期ごとの売上高推移を確認すると、実は下降トレンドだったということもあるので注意。
ただ、特定の季節に大きく稼ぐ業種もあるので、前年同期比の推移を確認すること。
※*1:たとえば、第2四半期決算短信には、第1期目と第2期目の決算の累計の数値が記載されている。第3四半期決算の場合は、第1〜3期目の累計が記載されている。各四半期の数値を確認するには、最新の決算短信の数字から、前記の決算短信の数値を差し引けば良い。
3.成長の継続性を吟味する
成長余地がまだあるのか?もしくは、もう飽和状態に近いのか?を確認する。
日々の営業努力がそのまま企業の持続的成長につながるビジネスモデルだと好ましい。(複利システムが内在されているビジネス。例えばサブスクリプションモデルなど)
「普通の人だから勝てる エナフン流株式投資術」読了後の感想
本書を読んで、「投資本をいくら読んでも、なぜか一向に投資できるようにならない」「何となく投資というものの全体像はわかるが、どうすれば自分で上る株を選べばよいのかわからない」という問題が解決されました。
なぜなら、本書には割安株について具体的に解説されており、その中でもどういった割安株にどういったタイミングで投資すべきか?が具体的に解説されているからです。
本書で紹介されている割安株成長株に投資できれば、損失を限定したうえで、大きなリターンを得られます。まさに私が求めていた投資法だと感じました。
本書の著者であるエナフン氏は兼業投資家でありながらも、本書で紹介されている割安株成長株で数億円もの資産を築かれている。私と同様に、兼業投資家として投資を始める方には大きな励みになるのではないでしょうか?
エナフン氏は、本書で紹介されている割安成長株投資法について、さらに具体的に解説した本を出版されていますので、本書に引き続き、そちらも拝読させて頂こうと思います。