投資 投資法の研究

高配当ETFとS&P500インデックスETFの配当金と運用総資産額の比較

高配当ETFに積立投資すれば、老後は配当金で生活できる…なんて夢見ていた頃が、私にもありました。

しかし、実際シュミレーションしてみればわかることですが、高配当ETFの配当だけで生活するのはけっこう大変です。

そもそも高配当ETFの配当率は、高配当個別株の配当率ほど高くありません。なので、相当な運用資金がないと、配当金だけで生活資金を賄うのは難しいです。

その上、高配当ETFの運用リターンはS&P500インデックスETF(以下 S&P500ETF)の運用リターンと比較して低いです。なので、運用総資産額の増加を重視するなら、S&P500ETFに投資しておいたほうが有利です。

運用総資産額が多ければ、たとえ配当率が低くても十分な金額の配当金がもらえます。ですので、結局 高配当ETFではなくS&P500ETFに投資しておいたほうが、運用総資産額の面でも配当金の面でもメリットが大きいと考えることもできます。

このあたり、ちょっとややこしいので、高配当ETFとS&P500ETFに長期投資した場合を比較してみて、どちらの方が自分に好ましい投資方法か探っていきましょう。

高配当ETF(VYM)とS&P500ETF(SPY)に長期投資した場合

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_01

上画像は、代表的な米国高配当ETFであるVYMと、S&P500インデックスETFのSPYに2007〜2021年の約15年間 長期投資(配当再投資)した場合のシュミレーション結果です。

シュミレーションの条件は以下の通りです。

  • 原資100000ドル(約1000万円)からスタート
  • 毎月1000ドル積立投資
  • 毎年1回リバランス

最終的な運用総資産額の結果は以下の通りです。VYMよりもSPYの方が+155960ドル(約1559万6000円)多いです。

  • VYM:761928ドル
  • SPY:917888ドル

次に年間配当金額を比較してみましょう。

 

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_02

年間配当金額は以下の通りです。SPYよりもVYMの方が8130ドル(約81万3000円)多いです。
※記事執筆時点では、2021年はまだ終わっていないので、年間配当金額を算出できません。

  • VYM:20951ドル
  • SPY:12821ドル

どうでしょうか?

約1000万円から初めて、約15年間 毎月約10万円積立投資しすれば、かなりの配当金がもらえることがわかりますね。

VYMに投資した場合は年間 約210万円の配当金がもらえますから、原資を増やすか積立投資額を増やすかすれば、十分配当金だけで生活することができると言えそうです。

ただ、上記のシュミレーション結果は、ETFだけに投資したシュミレーション結果です。債券には投資していません。ですので、かなりリスクをとった運用方法だと言えます。現実的には、株式100%で資産運用する人は少ないでしょう。

リーマンショックやコロナショックのようなこともありますので、万が一のことを考えると、ある程度 債券にも投資しておいたほうが無難です。ま、要は上記のシュミレーションは机上の空論。もう少し現実に沿ったシュミレーションをする必要があります

ということで、上記のVYMとSPYに債券ETFのTLTを加え、株式70%:債券30%のポートフォリオでシュミレーションしてみましょう。

ちなみに、投資本を沢山読んでいる方であれば知っていることだとは思いますが、株式70%:債券30%の割合は、安全に長期投資するのに適した割合だといわれています。本によっては、株式90%:債券10%を推奨していたり、株式80%:債券20%を推奨していたりしますが、本記事では可能な限りリスクを減らした場合でシュミレーションしたいので、株式70%:債券30%を採用することとします。

VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%に長期投資した場合

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_03

上画像は、VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%のポートフォリオで長期投資した場合のシュミレーション結果です。シュミレーション条件は、上記で紹介したものと同じです。

最終的な運用総資産額の結果は以下の通りです。VYM70%+TLT30%よりもSPY70%+TLT30%のポートフォリオの方が+110102ドル(約1101万200円)多いです。

  • VYM70%+TLT30%:723433ドル
  • SPY70%+TLT30%:833535ドル

債券を加えなかった場合と比較して、運用総資産額は減っていますが、最大下落幅は50%台から30%台に、また年間最大下落幅も30%台から10%台に減っています

続いて、年間配当金額を比較してみましょう。

 

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_04

年間配当金額は以下の通りです。SPY70%+TLT30%よりもVYM70%+TLT30%のポートフォリオの方が+5334ドル(約53万3400円)多いです。

  • VYM70%+TLT30%:17631ドル
  • SPY70%+TLT30%:12297ドル

年間配当金額が200万円以下では、流石に配当だけで生活することは難しいでしょう。しかし、上記は原資1000万円、毎月10万円の積立投資を約15年間続けた場合の結果ですからね。

もし、あと15年(合計30年間)投資し続けたら…、と考えると、将来的には十分配当金だけで生活費を賄うことができそうです。

 

「じゃぁ、高配当ETFに長期積立すれば配当金生活できるってことか!」

 

といわれれば、答えはYESです。ただ、問題はそこではありません。気づいてほしいのは、SPY70%+TLT30%に投資した場合の年間配当金額ですら、生活するのに十分な金額になりえるという点です。

VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%の年間配当金額の差は約50万円程しかありません。そして、運用総資産額はSPY70%+TLT30%の方が約1101万200円も多いんです。

 

運用総資産額と年間配当金額の両方を考慮して、総合的に考えると、果たして高配当ETFに長期投資するのは正解でしょうか?

S&P500ETFに長期投資した場合でも、成果するのに十分な配当金を受け取れて、しかも高配当ETFよりも圧倒的に運用資産額が増えるのに?

 

おそらく、この事実に気づくと、多くの人は高配当ETF投資からS&P500ETFへの投資に切り替えるのではないでしょうか。

QQQ33%+VTI33%+TLT34%に長期投資した場合は?

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_05

ちなみに、私がおすすめしているQQQ33%+VTI33%+TLT34%のポートフォリオと、VYM70%+TLT30%、SPY70%+TLT30%のポートフォリオを比較した結果は、上画像の通りです。

VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%よりも、圧倒的にQQQ33%+VTI33%+TLT34%の運用総資産額が上回っています

具体的には以下の通りです。

  • VYM70%+TLT30%:723433ドル
  • SPY70%+TLT30%:833535ドル
    (VYM70%+TLT30%より+110102ドル多い)
  • QQQ33%+VTI33%+TLT34%:1045841ドル
    (SPY70%+TLT30%より+212306ドル多い)

ちなみに、QQQ33%+VTI33%+TLT34%の年間最大下落幅は、VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%のそれと同等、または若干低い程度です。最大下落幅は若干低いです。

続いて、年間配当金額も比較してみましょう。

 

高配当ETFとSP500ETFの配当比較_06

QQQ33%+VTI33%+TLT34%の配当金額は、VYM70%+TLT30%とSPY70%+TLT30%よりも低いですが、SPY70%+TLT30%と比較するとそこまで低くありません。年によっては上回っていることもあります。具体的には以下のとおりです。

  • VYM70%+TLT30%:17631ドル
  • SPY70%+TLT30%:12297ドル
  • QQQ33%+VTI33%+TLT34%:11196ドル

要は、QQQ33%+VTI33%+TLT34%のポートフォリオでも、30年間長期投資すれば、生活するのに十分な配当金を受け取ることができ、運用総資産額においては、SPY70%+TLT30%よりも圧倒的に多いということです。

QQQ+VTI+TLTのポートフォリオについては、下記の記事で詳しく解説していますので、興味のある方は参考にしてみてください。

QQQ・VTI・TLTのシンプルポートフォリオでS&Pのリターンを超える方法

-投資, 投資法の研究

© 2021 トラベルノマド