なんとなくAmazonで投資本を探していたら、元手90万円から2億3500万円に増やした3流サラリーマンの本「どん底サラリーマンが株式投資で2億円」を見つけました。
高学歴または高収入の著者が書いた投資本はたくさんありますが、上記のような本は少ないです。投資でお金持ちになりたい一般人にっとて、参考になる(再現性がある)のは、実は後者の方だと思います。前提や環境が似ていますので。
と言うことで、早速「どん底サラリーマンが株式投資で2億円」を購入して読んでみました。
私が本書で重要だと思った部分、気になった部分を書評として残しておきます。
もくじ
1年で1000万円→2億3500万円の違和感と、それが実現できる理由
本書の著者のDokGenさんは、38歳→39歳の約1年で資産を1000万円から2億3500万円に増やしています。
投資経験者ならわかると思いますが、普通に投資して短期間でここまで資産を増やすことは不可能です。
では、どうやってDokGenさんがそれを成し遂げたかというと、「信用取引」を利用したからです。それだけではありません。当時のITバブルに乗れたことも大きいです。
つまり、「信用取引×ITバブル」の掛け合わせによって、短期間で急激に資産を倍増させています。
副業よりも株式投資
最近になって、政府は副業を推奨し始めています。
しかし、会社で8時間労働した後に、さらに副業でお金を稼ぐのは肉体的にも精神的にも大変です。無理して副業を続けて、結果的に体調を崩して働けなくなっては本末転倒です。
でも、株式投資は自分が働かなくても、お金がお金を生み出してくれます。正常なリスク管理の下で投資するのであれば、普段の仕事に株式投資が影響することはありません。
また、株式投資には学歴は関係ありません。誰でも挑戦できます。3流大卒でもお金持ちになるチャンスがあります。
証券会社は裏切る
ライブドアショックが起こった時、マネックス証券はライブドア関連銘柄の担保能力をなんの予告もなしに「掛け目ゼロ」にしたそうです。
掛け目とは、信用取引をする際、現金を100とした時の株の担保価値比率のことです。
掛け目がゼロになるということは、ライブドア関連銘柄を信用取引している投資家が、証拠金を追加で積み増しするか、他の銘柄を換金売りをしなければならないことを意味します。
要は、マネックス証券がライブドアショックのリスクを全て投資家に押し付けた…と思われても仕方がないようなことをしたわけです。
結果、他の証券会社もマネックス証券に追随するのでは?という思惑から売り注文が殺到し、東証の売買システムの処理能力が超える恐れが出たことで、全銘柄取引停止措置が取られました。
「株式投資家→株式のオーナー」へのシフト
DokGenさんは、資産をある程度築いた後、売買利益を上げることよりも、四季報の株主欄に自分の名前が載ることを目指して投資し始めました。
時価総額が小さい企業に投資することで上記の目標を達成した後、「単純に株を買う→“A社”という株を買う」というように、その企業のオーナーになるつもりで投資するように意識がシフトしたそうです。
実は、オーナーになったつもりで投資するという考え方は、「ダンドー」の著者であり、Youtube上で積極的にご自身のセミナー動画をUPされているモニッシュ・パブライ氏も推奨されている考え方です。
優れた企業を時価総額が小さい内に投資し、ほったらかしたまま超長期保有すると莫大な富を築けます。それを実現するには、細かく売買せず、オーナーになったつもりでガチホしなければなりません。
とはいえ、ストーリー(投資する理由、投資後にその企業がどうなるかの予想)が崩れたら売却する柔軟性も必要です。
多少の含み益で利益確定していてはいけない
10〜20%程度の含み益で利益確定した後、売却した株がテンバガーになる可能性もあります。
10〜20%程度の含み益なんて、1度の損失で吹き飛びます。であれば、多少の含み益で利益確定を繰り返すのではなく、もっと大きな利益幅を狙って投資する必要があります。
この考え方は、過去記事で紹介した「普通の人だから勝てる エナフン流株式投資術」の著者であるエナフンさんの考え方と同じです。
投資ステージによっては、集中投資も必要(卵を一つのカゴに盛る)
上記でも書きましたが、DokGenさんは、資産90万円から信用取引を利用し、かつ、ITバブルの波に乗って短期間に莫大に増やしました。
普通に投資していては、90万円から億単位の資産を築くことはほぼ不可能です。資産が少ないのに、リスクヘッジのために分散投資なんてしていては、一生億単位の資産を築くことはできません。可能だとしても、老後生活に突入してからでしょう。そんな時期に億単位の資産を持っていてもどうしようもありません。
ですので、もし少ない資金から短期間で十分にお金を増やしたいのであれば、人的資産が大きい若いうちに、リスクをとって集中投資することが必要になります。
ある程度の年齢になってからでは、リスクをとった投資で損失を出した際に、一生懸命働いて損失を埋めるという奥の手が使えません。
自分を無限ATMと思っているような女性(または男性)と結婚しない
DokGenさんは、バツ1で、1度目の結婚は奥さんの不倫で離婚に至ったそうです。
どうもDokGenさんの前妻の女性は、お金遣いが荒く、経済面でDokGenさんに積極的に協力されることはなかったようです。その上、浮気とは…
本書で離婚のことについては詳細に書かれていますので、本記事でそれについて具体的に紹介することは避けますが…、DokGenさんは大変ご苦労されています。
いろんな問題が起きつつも、子育てと仕事と家事とを男で一つで成し遂げられたDokGenさんには、尊敬の念を抱きます。
DokGenさんは、息子さんに自身の経験を踏まえて…
「男に奢らせるのが当たり前と思っているような女性、家族のために働く気がない人とは、結婚をしないほうがいいぞ。ロクなことがないから」
とアドバイスされています。
これは、独身男性のみならず、独身女性にとっても非常に参考になることばあと思います。胸に留めておきましょう。
おわりに
あえて厳しい見方をすれば、信用取引×バブル相場でのラッキーで資産を築けただけではないか?という捉え方もできます。
しかし、少ない資産から億単位の資産を築くためには、それを成し遂げる他ないというのが現実なのかもしれません。
バブル相場に関しては、誰にも予測することができませんが、信用取引は誰でもできます。
しっかり企業分析することでダウンサイドリスクを減らし、しっかり資金管理することで信用取引のリスクを下げる。そして、可能な限り長期間市場に居続ける。
そうすることで、信用取引×バブル相場のチャンスを手に入れることができるはずです。
諦めずに株式投資に取り組んでいきましょう。
もちろん、コツコツのインデックス投資を続けるのもありです。結局、投資は自己責任なので、どちらの道を選ぶのも自分次第です。