億り人になれば人生安泰かのようなイメージがありますが、実際計算してみると「1億円程度じゃ全然安心できないのでは?」との考えに行きつきました。
なぜそう考えるのか?
また、どうすれば老後生活を安心して迎えられるのか?
についてまとめておきます。
なぜ1億円では安心できないのか?
例えば月50万円使うと仮定すると、1億円の資産を約16年で使い切ってしまうことになります。
16年って、かなり短いです。30代で1億円ためて億り人になり、意気揚々とセミリタイアしたところで、50〜60代で再度社会復帰せねばなりません。
また、もし65歳の定年時に1億円持っていたとしても、月50万円使う場合、81歳の時点で1億円を使い切ってしまいます。(81歳まで生きる人はたくさんいます)
高齢になるにつれ、事故や病気のリスクは高まっていくのに、資産は減っていきますから、もし70〜81歳の間に万が一のことが起これば終わりです。リスクをカバーできるだけの資金的余裕がありません。
「月50万円も使わないから大丈夫」と思うかもしれませんが、月30万円(割と一般的な生活レベルの支出)でもキツいですよ。
月30万円ならどうか?
月30万円使う場合、約27年で1億円を使い切ってしまいます。
もし30代で1億円貯めてセミリタイアしても、57〜66歳で1億円使い切ってしまいます。80歳まで生きるとすれば、あと14〜23年も生きなければならないのに…。
65歳で定年退職し、1億円の資産を切り崩して生きていく場合、92歳で1億円を使い切ってしまいます。92歳まで生きる人も少なくないですからね。92歳で財産なし状態では…生きていけませんよ。
ちなみに、一人暮らしで月30万円なら、まぁまぁ一般的な生活レベルを維持できると思いますが、結婚して二人暮らしの場合は、一般的な生活レベルは望めません。
資産運用のリターン(年利5〜10%)も年金も考えない方がいい
上記の計算は、1億円の貯金を切り崩して生活する場合のシュミレーションです。
もし、1億円を適切に投資信託やETFで運用した場合、年利5〜10%のリターンを見込めます。年間500〜1000万円づつ増えていくわけです。これなら、月30〜50万円使おうが、1億円の原資は減るどころか増え続けます。
しかし、いつ何時リーマンショックやコロナショックのような大暴落が起こるかわかりません。資産がいきなり50%減になり、その際も月30〜50万円使い続けるなら、たとえ株価が数年で暴落前の値に戻るとしても、資産が暴落前の金額に戻るのにはかなりの年月を必要とします。
要するに、「1億円を資産運用すれば老後生活は安心」ってわけでもないということです。
もちろん、年金があるから安心だと考えることもできますが、本当にもらえると思いますか?もらえるとして、その金額が減らないと思いますか?
個人的には、仮に年金がもらえるとしても、資産運用が上手くいくとしても、それを除外して人生設計しておく方が良いと思います。
どうすれば安心して老後生活を送れるか?
個人的には、1億り人になって1億円を切り崩しながら生活するスタイルでは、安心して老後生活を送れないと思います。5〜10億円なら話は別ですが、1億円では少なすぎます。
多くの人は5〜10億円なんて貯められませんし、1億円ですら難しいのが現実だと思います。
なので、老後は貯めた資産を切り崩しながら生活しようと考えるのではなく、高齢でも続けられる仕事をし、生涯現役で毎月安定的な収入を得続けることを重視すべきでしょう。
高齢でも続けられて、しかも毎月安定的な収入を得続けられる仕事は…
- ストックビジネスである(働けない時でも一定の収入を得られる)
- 好きな仕事である(嫌いな仕事は続けられない)
- 加齢がプラスに働く(もしくはマイナスにならない)
- 短時間で終えられる(老後は長時間集中力が持たない)
- 体力仕事でない(老後は肉体的労働はできない)
上記の条件をクリアするものが適していると思います。
なかなか上記のクリアする仕事を見つけるのは難しいとは思いますが、共に頑張っていきましょう。